記事内に広告が含まれています。

藤沢周平「闇の歯車」の感想とあらすじは?

この記事は約2分で読めます。

職人のような作品を作る事が多い藤沢周平としては、意外に派手な印象があります。

ですから、一度読んでしまうと、はっきりと粗筋が頭に残ってしまいます。

そういう意味では映像化しやすい内容だとも言えます。

藤沢周平を始めて読む人にとっては、読みやすいし、話の展開も分かりやすいので、おススメです。

また、サスペンスとしても面白く構成されているので、サスペンスが好きな人にもおススメです。

スポンサーリンク

内容/あらすじ/ネタバレ

長屋でいつもたたずむ女がいる。名をおくみという。不義の噂が立ち、夫が家に入れてくれないのだ。長屋の皆が知っている事だ。今日もおくみが来ている。佐之助は自分に関係のない事と思っている。

佐之助は奥村という男から仕事を請け負っている。その仕事は、人を脅したりするヤクザなものだった。その佐之助が一息つくのが、おかめという酒亭である。

そこにはいつもの馴染みの客がいる。三十過ぎに見える浪人ものと、白髪の年寄、商人風の若い男である。しかし、それぞれと話を交した事がない。それでも、佐之助には居心地がいいのである。

そのおかめでたまに見かける男が声をかけてきた。伊兵衛というその男は、盗みの手伝いをしないかというのだ。盗みは簡単でしくじる事はないという。しかし、佐之助は断った。

雨が降った日に、佐之助は雨の中をとぼとぼ歩くおくみを見かける。おくみを家に連れて帰り、暖を取らせるが、おくみはそのまま熱で倒れてしまう。介護をしている内に、薬代等で出費がかさんだ。

佐之助は、伊兵衛の話に乗る事にした。そして、伊兵衛が引き合わせたのが、おかめでいつも見かけている馴染みの客の連中であった。それぞれに止むに止まれない事情を抱えているのだろう。

そして、押し込みの日になった。

本書について

藤沢周平
闇の歯車
講談社文庫 約二一〇頁
長編
江戸時代

目次

誘う男
酒亭おかめ
押し込み
ちぎれた鎖

登場人物

佐之助
おくみ
伊兵衛
伊黒清十郎…浪人
静江…伊黒の妻
仙太郎…商人
おきぬ…仙太郎の情婦
弥十…白髪の老人

新関多仲…南町奉行所同心
芝蔵…岡っ引

きえ

奥村

映画の原作になった小説

佐伯泰英の「居眠り磐音江戸双紙 第1巻 陽炎ノ辻」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)
坂崎磐音が豊後関前藩を出て江戸で暮らさなければならなくなった事件から物語は始まる。居眠り磐音の異名は、磐音の師・中戸信継が磐音の剣を評した言葉である。
山本一力「あかね空」のあらすじと感想は?
第126回直木賞受賞作品です。永吉から見れば親子二代の、おふみから見ればおふみの父母をいれて親子三代の話です。本書あかね空ではおふみを中心に物語が進みますので、親子三代の物語と考えた方がよいでしょう。
池波正太郎「雲霧仁左衛門」の感想とあらすじは?
池波正太郎の火付盗賊改方というと「鬼平犯科帳」があまりにも有名すぎますので、本書は霞んでしまう面がありますが、「鬼平犯科帳」とは異なり、長編の面白さを十分に堪能できる時代小説であり、短編の「鬼平犯科帳」とは違う魅力にあふれた作品です。
山本兼一の「火天の城」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)

第十一回松本清張賞。織田信長の最後の居城・安土城をつくった職人たちの物語。天主を担当した岡部又右衛門以言、岡部又兵衛以俊の親子を主人公としている。安土城は謎に包まれている城である。

池波正太郎「闇の狩人」の感想とあらすじは?

仕掛人の世界と盗賊の世界。本書はある意味「鬼平犯科帳」の盗賊の世界と「仕掛人・藤枝梅安」の香具師の世界を同時に楽しめる、かなりおいしい作品である。

酒見賢一の「墨攻」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)(面白い!)
物語の始まりは墨子と公輸盤との論戦から始まる。この論戦で語られることが、物語の最後で効いてくる重要な伏線となっている。さて、墨子は謎に包まれている思想家である。そして、その集団も謎に包まれたままである。
藤沢周平「蝉しぐれ」の感想とあらすじは?
藤沢周平の長編時代小説です。時代小説のなかでも筆頭にあげられる名著の一冊です。幼い日の淡い恋心を題材にしつつ、藩の権力闘争に翻弄される主人公の物語が一つの骨格にあります。
藤沢周平「たそがれ清兵衛」の感想とあらすじは?
短編八作。全てが、剣士としては一流なのだが、一癖も二癖もある人物が主人公となっている。2002年の映画「たそがれ清兵衛」(第76回アカデミー賞外国語作品賞ノミネート。)の原作のひとつ。
浅田次郎「壬生義士伝」の感想とあらすじは?(映画の原作です)(面白い!)

第十三回柴田錬三郎賞受賞作品。新選組というものにはあまり興味がなかった。倒幕派か佐幕派かといったら、倒幕派の志士の話の方が好きであった。だが、本書で少し新選組が好きになった。興味が湧いた。

藤沢周平「隠し剣秋風抄」の感想とあらすじは?
隠し剣シリーズの第二弾。全九編の短編集。前回同様、今回も独創的な秘剣が炸裂する。さて、印象に残る短編は、「暗黒剣千鳥」「盲目剣谺返し」の二編。「盲目剣谺返し」は2006年公開の「武士の一分」の原作である。
京極夏彦の「嗤う伊右衛門」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)(面白い!)

第二十五回泉鏡花文学賞受賞作品。伝奇や幻想話というのは好きであるが、怪談やホラーというのは苦手である。だから積極的に読む気がしない。映画などに至っては見る気すらない。

藤沢周平「雪明かり」の感想とあらすじは?
直木賞受賞前後の短編集。大雑把には前半が市井もので、後半が武家ものだが、中間のものは市井もの武家もの半々である。藤沢周平としては前期の作品群になる。
池宮彰一郎の「四十七人の刺客」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)
第12回新田次郎文学賞受賞。いわゆる忠義の士を描いた忠臣蔵をベースにしたものではない。だから、忠義の士という描かれ方というわけではない。
池波正太郎「仕掛人・藤枝梅安 第1巻 殺しの四人」の感想とあらすじは?
仕掛人シリーズの第一弾です。藤枝梅安と彦次郎の二入の過去が随所に散りばめられ、二人の背景となる事柄がこの一冊でおよそ分かります。また、仕掛人の世界に独特の言葉も解説されており、今後のシリーズを読む際の助けになります。今後このシリーズの脇を固...
浅田次郎「輪違屋糸里」の感想とあらすじは?
新撰組もの。舞台は江戸時代末期。「壬生義士伝」が男の目線から見た新撰組なら、この「輪違屋糸里」は女の目線から見た新撰組です。しかも、時期が限定されています。まだ壬生浪士組と呼ばれていた時期から、芹沢鴨が暗殺されるまでの時期が舞台となっている...
ヴァレリオ・マンフレディの「カエサルの魔剣」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)
覚書/感想/コメント舞台となるのは西ローマ帝国の崩壊時。最後の皇帝ロムルス・アウグストゥスが主要な登場人物となっています。歴史にifがあるとした、冒険歴史小説です。グリーヴァのドルイド僧、マーディン・エムリース、ローマ名メリディウス・アンブ...
夢枕獏「陰陽師」第1巻」の感想とあらすじは?
ドロドロしたオカルトチックな印象はないが、不可思議な世界感の作品である。それに、闇が舞台になっていることが多いわりには、ホラーっぽくない。静かで優雅な感じすらする。
宇江佐真理の「雷桜」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)
江戸という都会から少しだけ離れた山里。その山里にある不思議な山という特殊な空間が、現実を忘れさせてくれる舞台となっている。そして、そこで出会うお遊と斉道というのは、まるでシンデレラ・ストーリー。
藤沢周平「隠し剣孤影抄」の感想とあらすじは?
それぞれの秘剣に特徴があるのが本書の魅力であろう。独創的な秘剣がそれぞれに冴えわたる。それがどのようなものなのかは、本書を是非読まれたい。特に印象的なのは、二編目の「臆病剣松風」と「宿命剣鬼走り」である。
井上靖の「敦煌」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)

敦煌が脚光を浴びるのは、20世紀になってからである。特に注目を浴びたのは、敦煌の石窟から発見された仏典である。全部で4万点。