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テーマ別日本史

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歴史理論の変遷

マルクス主義史観

歴史には基本法則があり、その法則に基づいて発展していくという見方です。日本では戦前の皇国史観への反動もあり、一世風靡した考えでした。

これに従えば、歴史には一定の法則があるということになります。歴史には法則があるのだから、それを学びたいと考えるのなら、この史観が適しているのかもしれません。

マルクスの規定した発展段階は、原始社会→古代社会→封建制社会→資本主義社会→社会主義社会→共産主義社会という一直線のものでした。

とても分かりやすいことも一世を風靡した理由だと思われます。ソ連が崩壊してしばらくは影響が残っていた考えのように思います。

従属理論

1960年代にドイツの経済学者アンドレ・グンダー・フランクらが提唱した理論です。

アフリカなどが低開発地域のままであるのは、彼ら自身に原因があるのではなく、支配する先進国に原因があり、第三世界の資本主義化も先進国の経済発展に従属する形において行われると考えます。

国や地域の歴史を個別にみるのではなく、先進国と第三世界を関係するものとしてとらえる考え方です。

世界システム論

従属理論を発展させたもので、アメリカの社会学者イマニュエル・ウォーラーステインが提唱しました。

一つの国、民族の枠組みを超えた広域的な分業体制を世界システムと呼びました。世界には複数の世界システムがあり、世界を巨視的な見方で捉える考え方です。

現在の学習指導要領はこの世界システム論の影響を受けています。

アナール学派

1929年にフランスのマルク・ウロックとリュシアン・フェーブルが刊行した雑誌「アナール」を中心に展開された歴史学の革新運動で、それまで政治史中心だった研究に対して、「社会史」を対置しました。

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時代区分別

原始

  • 「原始」旧石器時代から始まり縄文時代・弥生時代までを指します。
  • 約3万6,000年前~ 旧石器時代…打製石器が出現します。
    • 旧石器文化…狩猟・採取の生活です。
  • 約1万3,000年前~ 縄文時代(新石器時代)…磨製石器、土器が出現します。
    • 縄文文化…弓矢の使用、漁撈が発達します。
  • 約2,500年前~ 弥生時代…水稲農耕が特徴で、金属器が使用されます。
    • 弥生文化…墳丘墓、祭器が使用されます。

↑ここまでが先史時代
↓ここからが有史時代

古代(古墳時代から平安時代)

  • 「古墳時代」3世紀後半から西日本を中心に大規模な前方後円墳が作られます。特に大和地方に大きな政治権力があった考えられ、「ヤマト政権」と呼びます。
  • 「飛鳥時代」ヤマト政権が飛鳥に王宮を建設します。この時代から日本書紀や古事記などの文献によって日本の歴史が描かれるようになります。
  • 「奈良時代」平城京が建設され、律令が国家や社会の基礎に据えられ律令国家を作り上げます。
  • 「平安時代」律令国家が変質していく時代です。律令制度が残っているため、平安時代中期の摂関政治の時代までは古代に分類するのが一般的です。それに続くのが王朝国家です。
  • 平安時代後期は摂関政治の時代と区分して院政期と呼びます。上皇が自由に政治を行うようになり摂関の地位が低下します。また武士が台頭する時代のため中世とする説が有力です。
  • 1世紀頃 「楽浪海中に倭人あり」(『漢書地理志』)の記述があります。
  • 239年 「親魏倭王卑弥呼に制詔す」(『魏志倭人伝』)の記述があります。
  • 3世紀中頃~ 古墳時代…前方後円墳が西日本を中心に出現します。
    • 古墳文化…土師器、須恵器が登場します。
  • 266~413年 空白の四世紀(中国の史書に倭国関連の記述なし)と呼ばれます。
  • 593年~ 飛鳥時代…奈良盆地南部に都が置かれました。
    • 飛鳥文化…仏教中心の文化です。
    • 白鳳文化…律令国家成立期の文化、唐初期の影響が大きい文化です。
  • 710年~ 奈良時代…平城京に都が置かれました。
    • 天平文化…最盛期の唐の影響を受けた、国際性のある水準の高い仏教文化です。
  • 794年~ 平安時代…初期、摂関期、院政期に三分されます。
    • 弘仁・貞観文化(唐風文化)…密教芸術が興隆します。
    • 国風文化(摂関期の文化)…かな文字、かな文学が発達します。
    • 院政期の文化…武士、庶民の文化が取り入れられます。

中世(平安時代末期~室町時代)

中世は治暦4(1058)年の後三条天皇の即位から永禄11(1558)年の織田信長の上洛までを指します。

  • 平安時代後期は摂関政治の時代と区分して院政期と呼びます。上皇が自由に政治を行うようになり摂関の地位が低下します。また武士が台頭する時代のため中世とする説が有力です
  • 中世は「武士の時代」で、院政期に台頭し始め、鎌倉時代、室町時代、戦国時代に至ります。武士の主従関係を封建制度と呼びますが、それによって中世を封建時代ということもあります。
  • 中世は武士の時代であると同時に、天皇の位を退いた太上天皇(上皇)による院政や、宗教の時代でもありました。
  • 農村においても独自の掟を定め、自立的・自治的な村が現れます。惣村と呼ばれ、鎌倉時代から戦国時代にかけて近畿地方を中心に展開しました。
  • これら新たな動きの背景にあるものとして、古代の氏(ウジ)から中世の家(イエ)への転換が指摘されます。イエがウジに代わって政治や社会の基本になるのが中世でした。イエにより家格や家職が成立していきます。
  • 中世の特徴として、もう一つ指摘されるのが、社会の多元性と分権性です。多元性や分権性は、あらゆる場面で見ることができました。公権力は幕府や朝廷に一元化されず、さまざまな集団や階層で分有されました。
  • 社会では自力救済が重要でした。利害を共にする人が一団結した一揆もそうしたことの一人です。一揆的な結合が日常化したのが惣村です。
  • 中世的に特徴的な宗教者に聖がいます。どの寺院、どの組織にも属さないからこそ、さまざまな組織や集団に働きかけられる存在でした。

前期封建制とも呼ばれます。

  • 1192年~ 鎌倉時代…初の本格的武家政権が登場します。
    • 鎌倉文化…武士による質実な文化です。
  • 1336年~ 南北朝時代…朝廷の力がはっきりと衰退します。
    • 南北朝文化…自ら正当性を示す歴史書が作られます。
  • 1392年~ 室町時代…政治的な不安定が続きます。
    • 北山文化…公家文化と武家文化が融合した、華麗な文化です。
    • 東山文化…禅宗の影響を受けた幽玄・侘の文化です。
  • 1477年~ 戦国時代…「世界」と本格的な接触が始まります。
    • 文化が地方にも波及、分散します。

近世(安土桃山時代・江戸時代)

  • 近世は織田信長、豊臣秀吉をへて徳川家康から始まる江戸時代を指します。この時代も封建制度が続きます。そのため中世を前期封建制、近世を後期封建制と呼ぶのが歴史学では一般的です。
  • 1573年~ 安土桃山時代…荘園制が完全に崩壊します。
    • 桃山文化…雄大華麗な城郭建築、障壁画などが特徴の文化です。
  • 1603年~ 江戸時代…後期封建制とも呼ばれます。
    • 寛永文化…儒学(朱子学)を中心とした文化です。
    • 元禄文化…町人を中心とする多彩な文化です。
    • 宝暦・天明期の文化…洋学(蘭学)による科学知識の吸収が進んだ文化です。
    • 化政文化…都市の成熟による庶民の文化です。

【番外編】:大奥とはなにか時間と単位

近代(明治時代~)

  • 1868年~ 明治時代…資本主義による社会が登場します。
    • 「文明開化」
  • 1912年~ 大正時代…大衆化が本格的になります。
  • 1926年~ 昭和時代(昭和20年まで)

現代(昭和20年以降)

  • 1945年~ 昭和時代(昭和20年以降)…占領下の時代、高度成長の時代です。
  • 1989年~ 平成時代

テーマ別

経済史

文化史・ 宗教史

参考文献