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佐藤雅美

佐藤雅美の紹介と作品・著書

略歴

(1941-2019)

佐藤雅美(さとう・まさよし)。作家。兵庫県生まれ。

早大卒業後、会社勤務を経て作家に。

今までの時代小説家があまり扱ってこなかった職業やジャンルを舞台にしています。

作家デビューが歴史経済小説の「大君の通貨」であることや、直木三十五賞受賞作品も公事宿の主人であることからもわかります。

また、最大の特徴は、時代考証の綿密さです。

細かく調べ上げているのですが、そのことが小説の中で鼻につくかというと、そうではありません。

一文の中にサラリと忍ばせているので、話のテンポ等を阻害することがないのです。

作家としての力量のすごさを見ることができます。

人気シリーズも多いです。

シリーズ作品

半次捕物控シリーズ

  1. 影帳
  2. 揚羽の蝶
  3. 命みょうが
  4. 疑惑
  5. 泣く子と小三郎
  6. 髻塚不首尾一件始末
  7. 天才絵師と幻の生首
  8. 御当家七代お祟り申す
  9. 一石二鳥の敵討ち

物書同心居眠り紋蔵シリーズ

  1. 物書同心居眠り紋蔵
  2. 隼小僧異聞
  3. 密約
  4. お尋者
  5. 老博奕打ち
  6. 四両二分の女
  7. 白い息
  8. 向井帯刀の発心
  9. 一心斎不覚の筆禍
  10. 魔物が棲む町
  11. ちよの負けん気、実の父
  12. へこたれない人
  13. わけあり師匠事の顛末
  14. 御奉行の頭の火照り
  15. 敵討ちか主殺しか

八州廻り桑山十兵衛シリーズ

  1. 八州廻り桑山十兵衛
  2. 殺された道案内
  3. 劇盗二代目日本左衛門
  4. 江戸からの恋飛脚
  5. 花輪茂十郎の特技
  6. 六地蔵河原の決闘
  7. たどりそこねた芭蕉の足跡
  8. 私闘なり、敵討ちにあらず
  9. 関所破り定次郎目籠のお練り
  10. 怪盗桐山の藤兵衛の正体

縮尻鏡三郎シリーズ

  1. 縮尻鏡三郎
  2. 首を斬られにきたの御番所
  3. 浜町河岸の生き神様
  4. 捨てる神より拾う鬼
  5. 当たるも八卦の墨色占い
  6. 老いらくの恋
  7. 夢に見た娑婆
  8. 頼みある仲の酒宴かな
  9. 美女二万両強奪のからくり

啓順シリーズ

  1. 啓順凶状旅
  2. 啓順地獄旅
  3. 啓順純情旅

町医北村宗哲シリーズ

  1. 町医北村宗哲
  2. やる気のない刺客―町医北村宗哲
  3. 口は禍の門―町医北村宗哲
  4. 男嫌いの姉と妹―町医北村宗哲

その他

  1. 大君の通貨―幕末「円ドル」戦争
  2. 薩摩藩経済官僚 回天資金を作った幕末テクノクラート (=「調所笑左衛門」)
  3. 幕末住友役員会 生き残りに賭けた二人の企業戦略 (=幕末「住友」参謀 広瀬宰平の経営戦略)
  4. 主殿の税 田沼意次の経済改革 (=「田沼意次」)
  5. 江戸の税と通貨 徳川幕府を支えた経済官僚 (=「江戸の経済官僚」、「将軍たちの金庫番」)
  6. 恵比寿屋喜兵衛手控え
  7. 開国―愚直の宰相堀田正睦
  8. 無法者(アウトロー)
  9. 泥棒稼業
  10. 手跡指南 神山慎吾
  11. 立身出世―官僚川路聖謨の生涯 (=「官僚川路聖謨の生涯」)
  12. 楼岸夢一定―蜂須賀小六
  13. 幽斎玄旨
  14. 百助嘘八百物語
  15. 槍持ち佐五平の首
  16. 江戸繁昌記―寺門静軒無聊伝
  17. 信長
  18. 吾、器に過ぎたるか (=「お白洲無情」)
  19. 青雲遙かに―大内俊助の生涯
  20. 覚悟の人―小栗上野介忠順伝
  21. 十五万両の代償 十一代将軍家斉の生涯
  22. 千世と与一郎の関ヶ原
  23. 戦国女人抄おんなのみち
  24. 知の巨人 荻生徂徠伝
  25. 悪足搔きの跡始末 厄介弥三郎
  26. 侍の本分

紹介している作品

作家さ行

佐藤雅美の「将軍たちの金庫番」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 「江戸の税と通貨」→「江戸の経済官僚」改題。本書ではかつて書いた歴史経済小説の中の誤りを正直に認めて訂正している。こうした姿勢は好感が持てる。 本書は江戸時代の経済通史である。 なぜ小説家が?という疑問があるが、じつは...
作家さ行

佐藤雅美の「八州廻り桑山十兵衛 第5巻 花輪茂十郎の特技」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 今回も色々な騒動が巻き起こり大変な桑山十兵衛であるが、もっともこたえるのは、新婚早々の登勢が実家に戻ってしまったことである。一体なぜ? 最近では「桑山に過ぎたるもの二つあり、大業物に上総の女房」と言われるようになった。...
作家さ行

佐藤雅美の「物書同心居眠り紋蔵 第7巻 白い息」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント シリーズ第七弾。 あこがれの定廻りになった紋蔵。 定廻りは何より実入りがいい。わずか二月で収入が軽く十倍になった。 だが、毎日が充実しているかというと、そうでもない。岡っ引きが摘発する犯罪のほとんどは盗みで、岡っ引きは...
作家さ行

佐藤雅美の「啓順純情旅」啓順3を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント シリーズの最終巻。いよいよ啓順と聖天松との間に決着がつく。 また、今回から引き続いての「医心方」という医学書に絡んだ話にも決着がつく。とはいっても、サイドストーリー的なものとなり、啓順が直接的に絡むというものではない。...
作家さ行

佐藤雅美の「縮尻鏡三郎 第2巻 首を斬られにきたの御番所」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 婿となった三九郎。これが太平楽を絵に描いたような男で、小普請入したまま就職活動に熱心でない。挙げ句の果てに色々なトラブルに巻き込まれる。隙が多すぎるのだ。 だから、娘の知穂は半分愛想を尽かしている。当然、鏡三郎としても...
作家さ行

佐藤雅美の「江戸繁昌記 寺門静軒無聊伝」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 寺門静軒は江戸時代の儒学者。江戸後期に生まれる。江戸駿河台に克己塾を開き、著書の「江戸繁昌記」がベストセラーとなるものの、風俗を乱すものとして水野忠邦による天保の改革によって、江戸追放となり、各地を流転する。これを審議...
作家さ行

佐藤雅美の「啓順地獄旅」啓順2を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 聖天松の倅を殺したとして、聖天松に追われる啓順。 本当は逃げる必要はなくなっているのだが、真犯人が死んでしまったために申し開きが出来ない。好まずと逃げるしかない。 今回はそうした啓順に大八木長庵が手をさしのべるところか...
作家さ行

佐藤雅美の「八州廻り桑山十兵衛 第4巻 江戸からの恋飛脚」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 連作短編。 東奔西走とはこのことか。よくもまぁ、ここまで各地を廻村するものだと感心してしまう。が、忙しすぎて、読んでいて少し気疲れしてしまう。 今回は、桑山十兵衛にも恋の話が巡ってきて、これがどうなるのかが一つの読みど...
作家さ行

佐藤雅美の「白洲無情」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 「吾、器に過ぎたるか」改題 主人公となった大原幽学という人物は初めて知った。二宮尊徳同様に農業に関係した人物である。 二宮尊徳が農業経営の権威とすれば、大原幽学は共産主義的農業経営実践者とでもいうべき人らしい。 人の人...
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佐藤雅美の「信長」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント あらすじ紹介は前半三分の一程度部分までを載っけた。この後は様々な小説でも描かれているので、省略とさせて頂く。 佐藤雅美は最新の歴史研究などを丹念に調べ上げ、それを上手く小説の中に散りばめてくれる。それがいつも楽しみなの...
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佐藤雅美の「半次捕物控 第4巻 疑惑」を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

覚書/感想/コメント 前回登場した蟋蟀小三郎。その蟋蟀小三郎とお志摩の関係がとても怪しく思えてしまう半次。思いあたる節が沢山あるだけに、気が気でない。 そんな、蟋蟀小三郎は半次にとって疫病神のような存在。だが、その蟋蟀小三郎は本作では半次に...
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佐藤雅美の「半次捕物控 第3巻 命みょうが」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 前作で何かとあったお志摩と半次が夫婦となった。 そして、今作品では新たな登場人物が加わる。半次が疫病神という蟋蟀小三郎である。蟋蟀小三郎は三一長屋で狐目の女の子分や血洗いノ鮫五郎の件、島帰りの佐七の件で半次を助けること...
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佐藤雅美「物書同心居眠り紋蔵 第6巻 四両二分の女」の感想とあらすじは?

今作ではいたずらっ子の文吉が登場しません。また、他の家族もほとんど登場しません。 ですが、紋蔵の例繰方としての能力の高さが遺憾なく発揮されている作品です。 いつも面倒を持ち込む沢田六平も実は紋蔵の能力を高く買っている節があるのを作品の端々で...
作家さ行

佐藤雅美「半次捕物控 第2巻 揚羽の蝶」の感想とあらすじは?

江戸の岡っ引が、頼まれて参勤交代の人足として遠方に赴いて、さらに複雑な事件に巻き込まれていく物語です。 参勤交代の様子が描かれている小説自体が非常に珍しいのではないでしょうか。 殿様の食事を担当する料理人がいるばかりでなく、専用のトイレ、つ...
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佐藤雅美「半次捕物控 第1巻 影帳」の感想とあらすじは?

題名からして、謎かけです。『影帳』とは一体何なのか? 最後まで読めば分かるのですが、実ははじめの段階から、それとなく伏線がはられています。 読み終えた段階で気が付くのですが、本書の最初から、やたらに博奕に関する事柄が多いです。 これは最大の...
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佐藤雅美「啓順凶状旅」啓順1の感想とあらすじは?

本書は渡世人による股旅ものです。 この渡世人が元医者であるという特殊な設定になっているのが、本書の特徴でしょう。 当時の医療の状況がよく分かるように、それぞれ病状のことなる病人が出てきます。 啓順は当時の本道といわれる内科専門医であり、薬等...
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佐藤雅美「縮尻鏡三郎 第1巻」の感想とあらすじは?

連作短編と考えるべきなのでしょうが、物語の構成が複雑に出来ており、その分読み応えがある本のため、長編として捉えました。 一つには「長﨑会所五冊物」を巡る謎が、本書の最初から最後の最後までつきまといます。 この「長﨑会所五冊物」に書かれている...
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佐藤雅美「手跡指南神山慎吾」の感想とあらすじは?

元筆頭家老の嫡男で、故あって手習塾の師匠をしている神山慎吾。主家の臼隈藩との関わりは無くなったと思っている矢先に、藩の権力闘争に巻き込まれてしまいます。 次から次へと変化していく慎吾の周辺の状況。それに戸惑いつつも、一生懸命にしがみついてい...
作家さ行

佐藤雅美「幕末「住友」参謀-広瀬宰平」の感想とあらすじは?

住友中興の祖とされる広瀬宰平の話です。 別子銅山を中心として発展した住友にとって別子銅山がなくなることは家業を衰退に導くことになります。 しかし、本店の人間と別子銅山の現場の人間とに認識の差が生まれます。本店の人間は別子をたたんでこぢんまり...
作家さ行

佐藤雅美「調所笑左衛門-薩摩藩経済官僚」の感想とあらすじは?

幕末にも近い時代。薩摩藩は会社で言えば事実上倒産していた。会社更生法でもあれば、申請をしていなければならないほどの死に体だったのだ。その甦らせた男が調所笑左衛門なのである。
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