記事内に広告が含まれています。

井上靖の「風林火山」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)

この記事は約2分で読めます。
スポンサーリンク

覚書/感想/コメント

武田家の武将かつ軍師の山本勘助が主人公です。

そもそも山本勘助が実在の人物かどうか異論のあるところではありますが…。

物語は、山本勘助が武田家に仕え、勘助が死んだ武田信玄(武田晴信)と上杉謙信(長尾景虎)との幾度と行われた戦の中で最大の川中島の決戦までを描いています。

物語では武田晴信以上に重要な人物として由布姫が描かれています。

由布姫は諏訪頼茂の娘であり、武田四郎勝頼の母となる人物です。

山本勘助は主君・武田晴信同様に、この由布姫に自分の人生を捧げる決意をします。

この山本勘助の由布姫に対する忠誠心というのは並々ならないものがあります。

ですから、由布姫が死んだ時の山本勘助の動揺の仕方、そして、それ以後の山本勘助の心理の微妙な変化を読み捉えると面白く読めるはずです。

小説の紹介

山本勘助 を主人公にした小説です。

  1. 南原幹雄「謀将-山本勘助」

内容/あらすじ/ネタバレ

山本勘助は今川家の居候になって九年が経つ。その声望とは裏原に仕官に至っていない。

その山本勘助は一計を案じ、甲斐の武田家家臣・板垣信方の知遇を得る。そして、武田家への仕官が決まった。山本勘助の願いは一つ。自分の持つ軍略の知識を最大限に生かしたいということである。まだ、彼には戦の経験がない。

山本勘助が武田家に仕官して、主君・武田晴信は諏訪の豪族諏訪頼茂を撃つための大軍を率いて出陣した。だが、この戦は交渉によって武田家有利の状態で終了した。交渉の使者にあたったのは山本勘助であった。

諏訪氏との平和の期間は短かった。結局、諏訪頼茂を斬り、武田晴信は諏訪平定に動く。この折りに、諏訪頼茂の娘と山本勘助が出会う。この姫は由布姫という。山本勘助は、この由布姫と武田晴信の間に男子が産まれないかと考える。そうすれば、不安定な諏訪の支配が上手くゆく。

山本勘助の説得により、由布姫は武田晴信の側室になる。

諏訪平定後の武田晴信の次の敵は村上義清である。村上義清との戦いは壮絶を極めた。だが、何とか勝利を収めることが出来、村上義清の勢力を一掃することが出来た。

この間に由布姫は子を産んだ。武田四郎勝頼である。

村上義清は越後の長尾景虎に助けを求めた。長尾景虎は、この求めに応じて武田晴信と対峙する。宿敵との戦いが始まる。

本書について

井上靖
風林火山
新潮文庫 約二七五頁
戦国時代

目次

風林火山

登場人物

山本勘助
武田晴信
板垣信方
高坂昌信
三條氏…武田晴信の正妻
由布姫…諏訪頼茂の娘
於琴姫…油川刑部守の娘

映画の原作になった小説

藤沢周平「竹光始末」の感想とあらすじは?
短編6作。武家ものと市井ものが織混ざった作品集である。「竹光始末」「恐妻の剣」「乱心」「遠方より来る」が武家もの、「石を抱く」「冬の終りに」が市井ものとなる。また、「竹光始末」「遠方より来る」が海坂藩を舞台にしている。
酒見賢一の「墨攻」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)(面白い!)
物語の始まりは墨子と公輸盤との論戦から始まる。この論戦で語られることが、物語の最後で効いてくる重要な伏線となっている。さて、墨子は謎に包まれている思想家である。そして、その集団も謎に包まれたままである。
池波正太郎「雲霧仁左衛門」の感想とあらすじは?
池波正太郎の火付盗賊改方というと「鬼平犯科帳」があまりにも有名すぎますので、本書は霞んでしまう面がありますが、「鬼平犯科帳」とは異なり、長編の面白さを十分に堪能できる時代小説であり、短編の「鬼平犯科帳」とは違う魅力にあふれた作品です。
藤沢周平「隠し剣秋風抄」の感想とあらすじは?
隠し剣シリーズの第二弾。全九編の短編集。前回同様、今回も独創的な秘剣が炸裂する。さて、印象に残る短編は、「暗黒剣千鳥」「盲目剣谺返し」の二編。「盲目剣谺返し」は2006年公開の「武士の一分」の原作である。
池波正太郎「鬼平犯科帳 第6巻」の感想とあらすじは?

主立った登場人物が登場しつくし、登場人物が落ち着いてきている。本作で印象に残るのが、「大川の隠居」である。火付盗賊改方に盗っ人が入り込み、その盗っ人と平蔵の駆け引きがとても面白い作品である。

浅田次郎「輪違屋糸里」の感想とあらすじは?
新撰組もの。舞台は江戸時代末期。「壬生義士伝」が男の目線から見た新撰組なら、この「輪違屋糸里」は女の目線から見た新撰組です。しかも、時期が限定されています。まだ壬生浪士組と呼ばれていた時期から、芹沢鴨が暗殺されるまでの時期が舞台となっている...
山本兼一の「火天の城」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)

第十一回松本清張賞。織田信長の最後の居城・安土城をつくった職人たちの物語。天主を担当した岡部又右衛門以言、岡部又兵衛以俊の親子を主人公としている。安土城は謎に包まれている城である。

藤沢周平「時雨みち」の感想とあらすじは?
「帰還せず」と「滴る汗」は藤沢周平には珍しい公儀隠密もの。印象に残る作品は「山桜」と「亭主の仲間」。「山桜」が2008年に映画化されました。
山本周五郎の「赤ひげ診療譚」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)
新出去定という医者は、その使命感や考え方のみならず、全体としての個性が強烈である。その新出去定がいう言葉に次のようなことがある。
池波正太郎「鬼平犯科帳 第2巻」の感想とあらすじは?

本書、第二話「谷中・いろは茶屋」で同心の中でも憎めない登場人物の木村忠吾が初登場する。本書では二話で主要な役割を果たす。また、小房の粂八と相模の彦十は密偵として板に付き始めてきているようである。

井上靖の「敦煌」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)

敦煌が脚光を浴びるのは、20世紀になってからである。特に注目を浴びたのは、敦煌の石窟から発見された仏典である。全部で4万点。

藤沢周平「蝉しぐれ」の感想とあらすじは?
藤沢周平の長編時代小説です。時代小説のなかでも筆頭にあげられる名著の一冊です。幼い日の淡い恋心を題材にしつつ、藩の権力闘争に翻弄される主人公の物語が一つの骨格にあります。
藤沢周平の「花のあと」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)
「旅の誘い」は「暗殺の年輪」に収録されている「冥い海」とあわせて読むと面白い。「冥い海」は葛飾北斎から見た広重が描かれており、「旅の誘い」では安藤広重から見た葛飾北斎が書かれている。
山本一力「あかね空」のあらすじと感想は?
第126回直木賞受賞作品です。永吉から見れば親子二代の、おふみから見ればおふみの父母をいれて親子三代の話です。本書あかね空ではおふみを中心に物語が進みますので、親子三代の物語と考えた方がよいでしょう。
宇江佐真理の「雷桜」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)
江戸という都会から少しだけ離れた山里。その山里にある不思議な山という特殊な空間が、現実を忘れさせてくれる舞台となっている。そして、そこで出会うお遊と斉道というのは、まるでシンデレラ・ストーリー。
藤沢周平「時雨のあと」の感想とあらすじは?
「闇の顔」の犯人は一体誰なのか。最後までわからず、そして、その犯人が意外な人物であることに思わず唸ってしまう作品。「鱗雲」では、二人の女性の対照的な結末が印象的な作品である。
藤沢周平「隠し剣孤影抄」の感想とあらすじは?
それぞれの秘剣に特徴があるのが本書の魅力であろう。独創的な秘剣がそれぞれに冴えわたる。それがどのようなものなのかは、本書を是非読まれたい。特に印象的なのは、二編目の「臆病剣松風」と「宿命剣鬼走り」である。
浅田次郎の「憑神」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)
幕末も幕末。大政奉還が行われた前後を舞台にしている。主人公別所彦四郎の昔らからの知り合いとして榎本釜次郎が登場する。この榎本釜次郎とは榎本武揚のことである。
池宮彰一郎の「四十七人の刺客」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)
第12回新田次郎文学賞受賞。いわゆる忠義の士を描いた忠臣蔵をベースにしたものではない。だから、忠義の士という描かれ方というわけではない。
池波正太郎「闇の狩人」の感想とあらすじは?

仕掛人の世界と盗賊の世界。本書はある意味「鬼平犯科帳」の盗賊の世界と「仕掛人・藤枝梅安」の香具師の世界を同時に楽しめる、かなりおいしい作品である。