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米澤貴紀「神社の解剖図鑑」の感想は?

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覚書/感想/コメント

著者は日本建築史、建築技術史が専門。

建築が専門だけに、神社の建物の解説が優れている。イラスト入りという点も、とても見やすくていい。

有名な神社を例にして解説を加えている点もいい。ちょっとした旅行気分になるし、実際に行ったときには見るところが深く(マニアック)なると思う。

読んでいてハッとさせられたのが、明治以前は神仏習合のところが多かったという点。神仏習合については、義江彰夫「神仏習合」に詳しい。

確かにそうであったはずなのだが、現在はそこの線引きがあるため気が付きにくい。

鎌倉の鶴岡八幡宮もそうだったという。仁王門があったようだし、護摩堂、薬師堂もあったようだ。何より、「鶴岡八幡宮寺」と称して、僧侶が神に奉仕していたそうだ。

明確に神道と仏教が分かれていたわけではない。こうしたことを認識しておかないと、神社・仏閣を見物しても「?」ということになるかもしれない。

明治になり、明治政府の神仏分離令を、廃仏毀釈と捉えた人が多く、各地で貴重な仏教建築や文化財が破壊されてしまったのだとか。何とももったいないことを・・・。

神仏分離と廃仏毀釈については安丸良夫「神々の明治維新―神仏分離と廃仏毀釈―」に詳しい。

さて、最後の方に書かれている「参拝方法を知っておこう」は見ておいた方がよいかも。

「参道の中央は神の通り道とされるため、脇に寄り…」

・・・はい、すいません。気を付けます。

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目次

1章 神社ってどんなところ?
2章 神話と神社の深い関係
3章 神社の歴史をたどる
4章 神社は何を祀るのか
5章 神社のグループはこうできた
6章 神社の素敵なご利益

帯には次のように書かれている
『世界に誇る神社の魅力にせまる! 鳥居、社殿、門・塀・垣、神紋などのカタチの意味から、『古事記』『日本書紀』にまでさかのぼる神様と、そのご利益まで、日本各地の神社の見かたを完全図解。』