記事内に広告が含まれています。

池波正太郎「仕掛人・藤枝梅安 第3巻 梅安最合傘」の感想とあらすじは?

この記事は約4分で読めます。

シリーズ第三弾です。

前作で登場した小杉十五郎。本作で、その小杉十五郎が大坂の香具師の元締・白子屋菊右衛門と抜き差しならぬ関係になります。

小杉十五郎が仕掛人の道へ一歩踏み入れてしまうのです。

なんとか、今までのように剣客の道を歩んでもらいたい梅安は、白子屋菊右衛門に足を洗わせるよう交渉するつもりでいます。

果たして、今後の小杉十五郎の運命はどうなっていくのでしょうか?

スポンサーリンク

内容/あらすじ/ネタバレ

梅安鰹飯

香具師の元締をしていた萱野の亀右衛門が梅安を訪ねてきた。

仕掛を頼みに来たのではない。大井の駒蔵という香具師の元締に会って欲しいというのだ。

一方、梅安は大坂にいる小杉十五郎からは江戸に戻りたいとの手紙を受けとる。

大井の駒蔵にあって頼まれたのは、音羽の半右衛門の仕掛である。梅安はこれを引き受ける。

しかし、音羽の半右衛門からも大井の駒蔵を仕掛けて欲しいという依頼が来る。梅安はこれも素知らぬ顔で引き受ける。梅安はどうするのか?

殺気

梅安が目黒不動尊へ参詣を思い立ち、目黒不動尊に向かった。

そこで、今は笹屋という菓子舗の内儀に収まっているある女を見かける。なりこそ違っているが、梅安が見間違えるはずもない。

その女はかつて京で自分の子を捨てた女なのだ。

梅安はその時、この女に激しい憎悪を抱いたものだった。

そして、この捨てられた子は、その後梅安の師・津山悦堂のはからいで貰い子としてもらわれていった。この事を思い出した梅安はどうするのか?

梅安流れ星

彦次郎が仕掛の依頼をされる。相手は林又右衛門という浪人である。一方、江戸に戻ってきた小杉十五郎は、相変わらずかつての道場関係の人間に追われていた。

彦次郎が仕掛ける相手の林又右衛門は、小杉十五郎を付け狙うものと関係があるらしく、また、料理茶屋・吉野家久蔵となにやら深い関係があるらしい。一体どうなっているのか?

梅安最合傘

井坂権八郎は、宮部数馬の仇討ちの相手であるが、宮部数馬は井坂権八郎の男色の虜になっていた。

この有様をいつものように井筒にいた梅安は隠し部屋から偶然覗いていた。

この事にも驚いたが、なによりも、この井坂権八郎はかつて梅安の窮地を救ってくれた恩人であったのだ。しかし、井坂権八郎は非道の男であった。この事を知った梅安はどうでるか?

梅安迷い箸

梅安は仕掛の現場を見られた。

仕掛人の定法として、見た相手も殺すのだが、梅安はそうせずに現場を去った。

彦次郎にこの事を話すと、とんでもないことだといった。梅安が思案顔なので、彦次郎は自分の手で、この目撃者を殺そうと考える。

さみだれ梅安

小杉十五郎は気が重たかった。白子屋菊右衛門から仕掛を引き受けたのは良かったが、相手が女だったのだ。

もう一つは、梅安にだまって仕掛人の道に入ってしまったことだ。しかも、梅安には顔を合わせていない。

小杉十五郎は意を決して梅安に会いに行く。梅安はすぐに小杉十五郎が仕掛をしたことを見抜いてしまう。

そして、今回の仕掛の相手が女であることを知り、梅安の仕掛ける相手と交換させる。しかし、この双方の仕掛自体が元もと関係があるようで…

スポンサーリンク

本書で登場する場所

「殺気」で登場する目黒不動尊

目黒不動(瀧泉寺)の参詣記-歴史と見どころは?(東京都目黒区)目黒不動から目黒駅への散歩

目黒不動から目黒駅への散歩道。目黒不動の紹介と写真の掲載。この日は、目黒不動前→目黒駅までを散歩。通称「目黒不動」。瀧泉寺(りゅうせんじ)は、天台宗の寺院。山号は泰叡山(たいえいざん)。不動明王を本尊としている。江戸五色不動の一つ。

本書について

池波正太郎
梅安最合傘
仕掛人・藤枝梅安
講談社文庫 約三一〇頁
短編連作
江戸時代

目次

梅安鰹飯
殺気
梅安流れ星
梅安最合傘
梅安迷い箸
さみだれ梅安

登場人物

梅安鰹飯
 大井の駒蔵…香具師の元締
 近江屋佐兵衛…呉服問屋

殺気
 笹屋伊兵衛…菓子舗
 おたか…笹屋の女房

梅安流れ星
 玉屋七兵衛…水茶屋亭主
 林又右衛門…浪人
 吉野家久蔵…料理茶屋

梅安最合傘
 井坂権八郎…浪人
 宮部数馬…若侍

梅安迷い箸
 おとき…女中
 宗太郎…おときの弟

さみだれ梅安
 お信…伊藤屋平助の妻
 儀兵衛…伊藤屋の大番頭
 内山太平次…浪人

池波正太郎の仕掛人・江戸の暗黒街

仕掛人

江戸の暗黒街