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飯嶋和一「雷電本紀」の感想とあらすじは?

表立ってというわけではなですが、物語の根底に渦巻く怨念というか怒りというものが、ページをめくる毎に伝わってきます。 それは決して粘着質なドロドロとしたものではなく、淡々と語られる物語の裏に脈々と流れる地下水のようなものです。 それが静かな分...
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宇江佐真理の「あやめ横丁の人々」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント いわくつきの「あやめ横丁」。そんな横丁に逃げ込んできた旗本三千石の三男、紀藤慎之介もある事情を抱えていた。 この「あやめ横丁」のあやめは、花のあやめではない。それが何なのかは本書に書かれているが、何となく想像はつくだろ...
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宇江佐真理の「深尾くれない」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 「雖井蛙流平法」を興した深尾角馬を描いた小説。後妻のかの、娘のふきの二人の女性の視点から描かれている。 「雖井蛙流平法」の名は知っていた。きっとカエルのようながに股で構えるか、カエルのように飛んだりするからそう名づけら...
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池波正太郎の「戦国幻想曲」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 渡辺勘兵衛了。阿閉淡路守、中村一氏、増田長盛、藤堂高虎と仕えた武将です。 最初の二人には勘兵衛自ら愛想を尽かして出て行きました。 阿閉淡路守は小心者で日和見の男、結果として懸けるべき人物を誤り亡びてしまいます。 先見の...
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池波正太郎の「夜明けの星」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 「仕掛人・藤枝梅安」シリーズと表裏一体をなす作品といっていいかもしれない。「仕掛人・藤枝梅安」シリーズでは暗黒街の顔役として大坂の白子屋菊右衛門が重要な役割を担っているが、本作ではもう一人の暗黒街の顔役・羽沢の嘉兵衛が...
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安部龍太郎の「関ヶ原連判状」を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

覚書/感想/コメント 関ヶ原の戦いでは、東軍と西軍のどちらにつくか。大名はそれぞれの思惑から揺れ動いた。 本書はそうした思惑の中で動いている細川幽斎を主人公にしているのだが、この思惑のスケールが違う。 その思惑も、作者が数々の史料の中から読...
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宇江佐真理の「おちゃっぴい-江戸前浮世気質」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 短編集。「町入能」と「概ね、よい女房」が同じ裏店を舞台にしており、「れていても」と「あんちゃん」が続き物のような感じである。 個性的なのが、「れていても」と「あんちゃん」の菊次郎。 「あん、ご隠居まで...」 だとか、...
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荒山徹の「高麗秘帖-朝鮮出兵異聞-李舜臣将軍を暗殺せよ」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 朝鮮水軍の李舜臣がいったん階級を剥奪され、再び攻めてきた日本軍に対抗するために、再度朝鮮水軍を率いるまでの短い期間を舞台にした伝奇小説である。具体的な期間は、慶長の役のあった一五九七年の七月十八日から約二ヶ月間である。...
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宇江佐真理の「泣きの銀次」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 岡っ引きなのに、死体を見ると大泣きしてしまう銀次。そこから名付けられたありがたくない渾名が「泣きの銀次」。なぜ銀次は泣くのか。 「...。死人の顔を見ていると、そいつが生きて、息をしていた時の、しかも笑った顔がぽっと浮...
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宇江佐真理の「銀の雨-堪忍旦那-為後勘八郎」を読んだ感想とあらすじ

為後勘八郎と若い岡部主馬を軸に物語が進んでいく。岡部主馬の若さは、一種の青臭さといってもいい。観念的なことにとらわれ、不正や恥は許せないという潔癖なところなどにそれが現れている。だから、正論を吐いてしまう。
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浅田次郎「壬生義士伝」の感想とあらすじは?(映画の原作です)(面白い!)

第十三回柴田錬三郎賞受賞作品。新選組というものにはあまり興味がなかった。倒幕派か佐幕派かといったら、倒幕派の志士の話の方が好きであった。だが、本書で少し新選組が好きになった。興味が湧いた。

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逢坂剛の「重蔵始末 第3巻 猿曳遁兵衛」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント シリーズ第三弾。 本書の途中で寛政五年を迎え、松平定信が老中を辞している。 本書は謎解きもあり、サスペンス、ミステリーの要素がふんだんに盛り込まれている。あっというどんでん返しや、意外な人物が犯人だったりと趣向を凝らし...
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宇江佐真理の「八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし 卵のふわふわ」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 料理本だと思っていた。 違った。離婚の危機を迎えている若夫婦を巡る連作短編集であった。 登場人物の中で異彩を放っているのが、舅の椙田忠右衛門。伝説の同心。 湯島の学問所で行われる学問吟味をあっさりと合格。だが、剣術はか...
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宇江佐真理の「甘露梅-お針子おとせ吉原春秋」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 新吉原の一年を舞台にした連作短編集。 おとせというお針子の目を通して新吉原の華麗な世界と、同時に真逆の厳しい世界を見ることになる。これに、季節の催し物をうまく小説の中に取り入れて、華やかな新吉原の世界を彩っている。 正...
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浅田次郎の「憑神」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)

幕末も幕末。大政奉還が行われた前後を舞台にしている。主人公別所彦四郎の昔らからの知り合いとして榎本釜次郎が登場する。この榎本釜次郎とは榎本武揚のことである。
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江戸文化歴史検定協会編「大江戸見聞録(初級)」の感想は?

テキストとなっていますが、読物としても十分に面白い一冊です。 また、幅広く江戸のいろんなことを扱っており、わかりやすい内容となっています。 メインとなるのは其之壱 日本橋にて、其之弐 山の手にて、其之参 中村座にて、其之四 隅田川にて、其之...
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宇江佐真理「斬られ権佐」の感想とあらすじは?

連作短編集。 題名からすると、派手な殺陣のあるチャンバラものか、もしくは凄みのある岡っ引きか下っぴきが大活躍する捕物帖かと思ってしまいます。 もちろん、捕物帖といえば捕物帖だし、活躍しないかといわれれば活躍する方であります。 ですが、ヒーロ...
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宇江佐真理の「雷桜」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)

江戸という都会から少しだけ離れた山里。その山里にある不思議な山という特殊な空間が、現実を忘れさせてくれる舞台となっている。そして、そこで出会うお遊と斉道というのは、まるでシンデレラ・ストーリー。
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宇江佐真理の「髪結い伊三次捕物余話 第4巻 さんだらぼっち」を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

覚書/感想/コメント シリーズ四作目。 「さんだらぼっち」とは米俵の両端に当てる藁の蓋のこと。桟俵法師が訛ったもの。 この表題の「さんだらぼっち」は、不幸な話の多いこの作品の中で一番やりきれない作品である。 伊三次の女房になったお文だが、ま...
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宇江佐真理の「髪結い伊三次捕物余話 第3巻 さらば深川」を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

覚書/感想/コメント シリーズ三作目。 ちょっとした表現の中にも深川の日常の生活が浮かんでくる。それは、季節の移り変わりを教えてくれる表現だったり、情景描写だったりする。相変わらず見事だ。 本作品で新たに登場する人物がいる。それぞれがとても...