時間
江戸時代
日本橋本石町の裏にある本石町新道は通称「鐘つき堂新道」と呼ばれていました。
時の鐘があったからです。時の鐘とは、文字通り時計のことです。
江戸時代、日本は唯一アジアで時計を使っていたそうです。
ただし、現代の定時法とは異なり、不定時法でした。季節によって変わるのを不定時法といいます。
「六ッ時」とは日の出、日の入りを指しますが、日の昇没は毎日変わります。
そのため、時計の方を調節し、暦の時間に合わせる必要がありました。
その調節をしていた人を時計師と呼んでいました。
当時、時計は高価なもので、庶民が持てるものではありませんでした。
そこで、一六二六年(寛永三年)から時計を見ながら鐘で時を知らせていたのです。
最初の時の鐘が本石町の鐘です。ここから始まり、本所、上野、芝、浅草、目白、赤坂、市ヶ谷、四谷に設けられました。
最初三つ打ち、次に時の数を打ったといわれます。
現在では聞かれないときの鐘ですが、ヨーロッパでは教会の鐘がいまだに時を告げるのを考えると、鐘で時を告げるのは洋の東西を問わない発想だったようです。
時間の長さ
- 小半刻≒30分
- 半刻≒1時間
- 一刻≒2時間
- 一刻半≒3時間
- 二刻≒4時間
時刻(中央標準時)
春分2月中 (3月21日) | 夏至5月中 (6月21日) | 秋分8月中 (9月23日) | 冬至11月中 (12月22日) | |
明六つ | 5:09 | 3:49 | 4:54 | 6:11 |
六つ半 | 6:16 | 5:08 | 6:01 | 7:06 |
朝五つ | 7:22 | 6:27 | 7:07 | 8:01 |
五つ半 | 8:29 | 7:46 | 8:14 | 8:56 |
朝四つ | 9:36 | 9:05 | 9:20 | 9:50 |
四つ半 | 10:43 | 10:24 | 10:27 | 10:45 |
昼九つ | 11:49 | 11:42 | 11:34 | 11:40 |
九つ半 | 12:56 | 13:01 | 12:41 | 12:35 |
昼八つ | 14:03 | 14:20 | 13:47 | 13:29 |
八つ半 | 15:10 | 15:39 | 14:54 | 14:24 |
夕七つ | 16:16 | 16:58 | 16:00 | 15:19 |
七つ半 | 17:23 | 18:17 | 17:17 | 16:14 |
暮六つ | 18:29 | 19:36 | 18:13 | 17:08 |
六つ半 | 19:23 | 20:17 | 19:07 | 18:14 |
夜五つ | 20:16 | 20:58 | 20:00 | 19:19 |
五つ半 | 21:10 | 21:39 | 20:54 | 20:24 |
夜四つ | 22:03 | 22:20 | 21:47 | 21:29 |
四つ半 | 22:56 | 23:02 | 22:40 | 22:35 |
暁九つ | 23:49 | 23:43 | 23:33 | 23:40 |
九つ半 | 0:43 | 0:24 | 0:27 | 0:45 |
暁八つ | 1:36 | 1:05 | 1:20 | 1:50 |
八つ半 | 2:30 | 1:46 | 2:14 | 2:56 |
暁七つ | 3:23 | 2:27 | 3:07 | 4:01 |
七つ半 | 4:16 | 3:08 | 4:01 | 5:06 |
長さ・距離
江戸時代の長さ・距離
- 一寸=十分≒3cm
- 一尺=十寸≒30cm
- 一間=六尺≒180cm
- 一町=六十間≒110m
- 一里=三十六町≒3930m
貨幣の単位
江戸時代の貨幣
江戸時代の中で度々変遷があり、最も分かりづらいのが貨幣制度です。ここでは大枠を紹介します。
一両を稼ぐのに、大工や左官などの職人でほぼ半月、人足で二十日近く、下女は約一年だったようです。
金貨
- 一両=四分
- 一分=四朱
銀貨
交換比率がよく変動していたので、ここでは種類のみの紹介です。
- 丁銀
- 豆板銀
- 一朱銀
- 一分銀
銭貨
- 一文⇒千枚で一貫文
【このページの参考文献】
- 平川陽一「『時代小説』を読むキーワード事典」PHP文庫
- 逢坂剛「重蔵始末」講談社文庫付録
- 田中優子「江戸を歩く」集英社新書