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浅田次郎「五郎治殿御始末」の感想とあらすじは?

明治維新後を舞台にした浅田次郎さんの短編集です。 全ての短編が、武士達がどのように明治維新後の境遇の変化を乗り越えようとしたのかを描いています。 「柘榴坂の仇討」は桜田門外の変を題材とした作品です。この「柘榴坂の仇討」は2014年に映画「柘...
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大塚英志監修、山本忠宏編「まんが訳 酒呑童子絵巻」の要約と感想は?

絵巻を現在のまんがの手法を使って、作り直したもの。従来の絵巻の紹介手法と異なり、見やすいし、読みやすい。 紹介されているのは3つの絵巻。「酒呑童子絵巻」「道成寺縁起」「土蜘蛛草子」。「酒呑童子絵巻」「土蜘蛛草子」は「鬼」に関する絵巻である。...
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義江彰夫「神仏習合」の要約と感想は?

明治初期における廃仏毀釈により、現在では神仏が分離しています。神社は神社で、寺院は寺院です。 ですが、日本の宗教観は、1,000年以上の長い時間をかけて、神祇信仰と仏教が融合した神仏習合がベースにあります。神仏習合は神仏混淆ともいいます。 ...
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池宮彰一郎「本能寺」の感想とあらすじは?

覚書/感想/コメント 織田信長の解釈が面白いし、なるほどと思ってしまう。話は織田信長と明智光秀、木下藤吉郎を中心に語られていく。 「信長ほど、裏切られ背かれた者は他に例を見ない。なぜ背かれるのか、その理由は彼の躍進にある。想像を絶する躍進に...
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浅田次郎「輪違屋糸里」の感想とあらすじは?

新撰組もの。舞台は江戸時代末期。 「壬生義士伝」が男の目線から見た新撰組なら、この「輪違屋糸里」は女の目線から見た新撰組です。 しかも、時期が限定されています。まだ壬生浪士組と呼ばれていた時期から、芹沢鴨が暗殺されるまでの時期が舞台となって...
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あさのあつこの「弥勒の月」を読んだ感想とあらすじ

暗い過去を持つ男達。それが繰り広げるミステリー・サスペンス。主人公の北町定廻り同心の木暮信次郎と、岡っ引きの伊佐治、遠野屋清之介の三人の関係はこの作品だけでは終わらない。

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岩井三四二の「銀閣建立」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 通称・銀閣寺の建立を巡る小説です。室町時代のもっとも混乱した京を舞台に、幕府の大工である橘一族の三郎右衛門を主人公としています。三郎右衛門は実在の人物ですが、この建立に直接かかわったかは不明の人物です。 この小説のテー...
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安藤優一郎の「大江戸お寺繁昌記」を読んだ感想

覚書/感想/コメント 江戸の町は70%が武家町で、15%が寺社町、15%が町人町だった。武家町は江戸城を囲むようにして展開し、町人町は東側に位置した。寺院と神社を比べると寺院の勢力が強く、大半は寺院の境内地だった。 今でいう、台東区と港区に...
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赤瀬川隼の「王国燃ゆ 小説 大友宗麟」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 九州のキリシタン大名・大友宗麟の人生を描いた小説です。 戦国時代、多くのキリシタン大名がいましたが、その多くは南蛮文化や貿易で得られる富を求めての俄かキリシタンでした。 宗麟もそうしたところから入ったのかもしれませんが...
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江戸文化歴史検定協会編「江戸諸国萬案内(中級)」の感想は?

本書は初級の語り口調を踏襲しています。十二の分野に関して、実在の人物を登場させながら、分野の紹介をする工夫は初級同様で、読み物としても単純に面白いです。豊富な図絵というのは初級、中級、上級を含めて共通のもので、3冊を合わせて繰り返し読めば、江戸時代の概略というのがおよそ見えてくるに違いありません。
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遠藤周作の「王の挽歌」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 九州を代表する戦国大名の一人、大友宗麟の生涯を描いた小説。大友宗麟はキリシタン大名としても知られ、遠藤周作氏らしい題材ともいえます。 小説は、大友宗麟の内面の葛藤に焦点を当てて進められていきます。心の平安を得るために、...
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磯田道史「殿様の通信簿」の感想は?

学者としては珍しいが、とても読みやすい文章を書く。だから、扱っている題材は地味なはずなのに、とても楽しく読める。これは幾度となく推敲を重ねた結果だろうと思う。
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安住洋子の「しずり雪」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 第三回長塚節文学賞短編小説部門大賞。 水野忠邦による天保の改革の時期を舞台とした短編集です。天保の改革については「テーマ:江戸時代(幕藩体制の動揺)」でまとめていますのでご参照ください。 短編集ですが、岡っ引きの友五郎...
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井川香四郎の「梟与力吟味帳 第5巻 雪の花火」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント シリーズ第五弾。 前作の最後に戻ってきた茜。仙人こと宮宅又兵衛が喜んだのはもちろんのこと、藤堂逸馬、武田信三郎、毛利八助も喜んだ。 ただ、武田信三郎にとって面白くないのは、茜がどうやら逸馬を好いているらしいのだ。茜どこ...
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井川香四郎の「梟与力吟味帳 第4巻 花詞」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント シリーズ第四弾。 前作で、武田信三郎の父親・武田徳之介が公金横領の罪で切腹したことが語られた。今回はその時の遺書に、目付に嵌められたようだと語られていることがわかる。その時の目付というのが鳥居耀蔵だった。 この話は第四...
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井川香四郎の「梟与力吟味帳 第3巻 忍冬」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント シリーズ第三弾。武田信三郎の家の事情というのが書かれている。 御家人・武田信三郎の父親・武田徳之介は勘定奉行勝手方の支配勘定だった。冥加金や運上金、将軍家や寺社関係の雑務や経理処理をする伺方として勤めていた。 これがあ...
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井川香四郎の「梟与力吟味帳 第2巻 日照り草」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 新たな登場人物として女公事師の真琴が登場。 このシリーズは吟味方与力の物語であるが、これに公事師を登場させることで、江戸時代の司法制度を浮かび上がらせようという狙いもあるようだ。 公事師(くじし)は弁護士と司法書士を合...
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井川香四郎の「梟与力吟味帳 第1巻 冬の蝶」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント シリーズ第一弾です。 主立った登場人物達の紹介などを兼ねています。 主役は梟与力こと藤堂逸馬です。これを幼馴染みの武田信三郎、毛利源之丞八助が助けます。 天保の改革真っ只中のこのシリーズの敵役は鳥居耀蔵です。 鳥居耀蔵...
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池宮彰一郎の「遁げろ家康」を読んだ感想とあらすじ

ここまで滑稽でみっともなく格好悪い徳川家康像というのは初めてである。小心者で、危険が迫るとすぐに遁げる。その姿にいくどニヤリとしたかわからない。くすくす笑ったこともしばしばである。
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池宮彰一郎「島津奔る」の感想とあらすじは?

薩摩・島津家を通して見た関ヶ原である。最後の「補遺」で描かれる中馬大蔵の逸話というのが、薩摩が経験した関ヶ原の大変さを能弁に語っている。「さても、関ヶ原と申すは...」