乙川優三郎の「五年の梅」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

第十四回山本周五郎賞

それなりに歳をとった人物が主人公となっている。それぞれが人生に対する失敗を犯している。通常ならやり直しのきかない状況でも、やり直そうとする意志をもち、人生を生きようとする姿が描かれている好作品集。

小田原鰹で「彼は束ね髪のような蘇鉄を見上げた。/『お客さん、花がお好きなので?』/『ああ』/と鹿蔵は苦笑した。/『もっとも好きになるのに六十と五年もかかっちまったが…』」というくだりがある。

人はやり直すことができるし、その力もある。やり直すのに歳は関係ないことを力強く言いたいのではないだろうか。

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内容/あらすじ/ネタバレ

後瀬の花

店の金を盗んでおふじと共に逃げた矢之吉であったが、なぜこんな事になったのかと後悔していた。そのことでおふじにあたりちらし、おふじはおふじで矢之吉に対して不満があった。

行き道

中風で倒れてしまった夫の多兵衛は生活のほとんどに支障をきたしていたが、妻のおさいは多兵衛に冷たかった。かつて、おさいは多兵衛から受けたしうちをどうしても忘れられなかったのだ。

小田原鰹

いつも全てのことに不満を持つ鹿蔵に対して愛想をつかしたおつねは家を出てしまう。そのことすら不満に思う鹿蔵は、周りからも冷たくされていたが、ある日知らない人から初鰹が送られてきた。そして、それは毎年送られてきた。

二度の結婚に失敗した志乃は、小禄の岡本岡太に嫁いだ。しかし、嫁いでからまもなく、かつての志乃を知る輩がうろつき始め…

五年の梅

藩主を諫めた村上助之丞は蟄居を命ぜられた。許嫁の弥生は他家へ嫁いだが、そこの家の家風がひどかった。

そして、弥生には娘が生まれたが、盲目であった。医者に診せようとしても、嫁ぎ先の家が吝嗇で、医者に診せようとしない。その状況をしった村上助之丞は…

本書について

乙川優三郎
五年の梅
新潮文庫 約三〇〇頁
短編集
江戸時代

目次

後瀬の花
行き道
小田原鰹

五年の梅

登場人物

後瀬の花
 矢之吉
 おふじ

行き道
 おさい
 多兵衛
 清太郎
 おきく

小田原鰹
 鹿蔵
 おつね
 政吉
 おみの


 志乃
 岡本岡太
 松井十之進
 相馬八郎

五年の梅
 村上助之丞
 矢野藤九郎
 弥生

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