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エリス・ピーターズの「修道士カドフェル番外編 修道士カドフェルの出現」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

本書でカドフェルものは最後である。

前作で、シリーズは終了している。

本作は、シリーズとは別の短編集であり、題名にあるように、カドフェルが修道士になったいきさつを描いた「ウッドストックへの道」などが納められている。

本書を読んで思うのだが、エリス・ピーターズは短編の方が上手いのかもしれない。

本書に収められている短編は時系列に並べると次のようになる。

「ウッドストックへの道」:修道士になる前
 ↓
「光の価値」:修道士になった後
 ↓
1巻から6巻
 ↓
「目撃者」
 ↓
7巻から20巻

上記のような時系列になっているのだから、本書に収められている短編を各シリーズのなかに入れてもよかったのではないかと思う。

贅沢を言うようだが、その方が読む方としてはよかったように思う。

本書にはおまけがいくつか収録されている。
・カドフェル・クロニクル略年表
・修道士カドフェル・シリーズガイド

物語の背景
シュルーズベリ
シュルーズベリ大修道院
シリーズに登場するカドフェル以外の主な修道士
シュルーズベリ修道院の一日
シリーズに出てくる食べ物
シリーズに出てくる薬草・香草
各巻あらすじ

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内容/あらすじ/ネタバレ

ウッドストックへの道

1120年の晩秋。長引いた戦争も終結し、ヘンリー1世の廷臣達はイングランドへ帰ることになった。

その中にロジャー・モウデュイットという男がいた。故郷には美しい妻と厄介な訴訟問題が待っている。

ロジャー・モウデュイットは帰ってからもしばらく雇っておこうと思っている人物が二人いた。

一人は書記として有能で、一人は経験豊かな戦士だ。

目下係争中の訴訟問題はシュルーズベリ修道院との間で土地を巡る問題だった。

この裁判は国王ヘンリー1世自ら行うことになっていた。

光の価値

ヘイモ・フィッツヘイモンは肥沃な荘園を持っていた。

彼は、シュルーズベリ修道院にそこそこの贈り物をすれば、魂の平安を得られるはずだと思い、蝋燭の費用と二本の銀の燭台を寄進することにした。

そして、寄進の日は、皆が見ているクリスマスの日を選ぶことにした。

だが、その燭台がなくなった。何者かによって盗まれたようだ。

それをジョーダン修道士が見ていたのだが、彼は年のために目が弱くなり、しかも、三日間は誰が持ち去ったのかは言えないという。

目撃者

修道院が貸している土地などの集金をするのに欠かせない修道士が病気になった。

そのため、平信徒を臨時で雇わなければならなくなった。

いらいらしていたウィリアム・リード主任は不平を口に出す。

だが、そのウィリアム・リードも雇い入れたジェイコブを買っていた。

このウィリアム・リードが何者かに襲われ、ベルトから財布が奪われた。

一体誰が?何人か怪しい人間がいる。カドフェルは犯人を捜し出すことができるのか?

本書について

エリス・ピーターズ
修道士カドフェルの出現
光文社文庫 約175頁
12世紀イギリス

目次

ウッドストックへの道
光の価値
目撃者

登場人物

ウッドストックへの道
 カドフェル・アプ・メイリール・アプ・ダフィッズ
 アラード
 ロジャー・モウデュイット
 レディ・イードウィナ
 ゴッセリン
 ゴードフリッド…シュルーズベリ修道院長
 ヘリバート…副院長

光の価値
 カドフェル…修道士
 ヘイモ・フィッツヘイモン
 エルフギヴァ
 スウェイン
 マドック
 ジョーダン…修道士
 アラード…銀細工職人

目撃者
 カドフェル…修道士
 ウィリアム・リード
 エディ・リード…息子
 ジェイコブ
 ワリン・ヘアフト…小間物商人
 ユートロピウス…修道士
 マドック