エリス・ピーターズの「修道士カドフェル第17巻 陶工の畑」を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

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覚書/感想/コメント

今回の事件は二転三転する。当初死体の女と目された女は証言により死体であることが否定され、次に目された女も同様に否定された。

では、一体死体は誰なのか?そして、なぜ正式な葬儀をされないで埋められたのか?やはり、これは殺しなのだろうか?その真相と結末は意外なものである。

今回のヒュー・ベリンガーは大忙しである。死体を発見したことにより、その真相究明に当たらなければならない。

その一方で、サリエンがもたらした情報により予期された戦闘の準備に奔走し、そして、ジェフロワ・ド・マンデヴィルの抵抗を抑えるためにスティーブン王とともに戦うことになる。

さて、題の「陶工の畑」は聖書「マタイによる福音書」に陶器職人の畑としてあるものである。これはユダの裏切りによって得た銀貨で、異邦人の墓地とするために購入された土地を意味している。つまり、あまり縁起の良い土地ではないのだ。

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内容/あらすじ/ネタバレ

ホーモンドにある修道院とシュルーズベリ修道院との間で土地交換が行われた。

新たにシュルーズベリ修道院の土地となった土地は十五ヶ月前までは、修道士ルアルドが借りていた土地であり、陶工の畑として知られていた。そして、ラドルファス院長はその土地の利用方法をカドフェルらに考えてもらうことにした。

土地は耕すことになり、早速牛を入れての作業に入った。だが、思わぬことに、耕していた土地の中から人の黒髪が現れた。

掘り起こしてみると、はたして死体であった。それは長い黒のガウンを身につけており、女であることは明らかだった。奇妙なことに手には二本の削った棒きれで作られた十字架が握らされていた。

だが、正式の葬儀をしないで埋められたこの女は誰なのか?

もともとが、修道士ルアルドが最近まで借りていた土地である。そのルアルドの元妻は消えていなくなっていた。誰もが彼に疑いの目を向けたのは当然だった。だが、死体が彼の元妻であるとは限らない。

その中、一人の若い修道士がやって来た。サリエン・ブラウントというその若者は戦闘地域から逃げてきたのだった。そして、この若者はルアルドと知己の間柄でもあった。

やがて、サリエンはルアルドに疑いの目がかけられていることを知ると、彼の元妻・ジェネリーズは生きているという証拠を持ち出した。それでは、死体の女は誰なのか?

新たな展開はカドフェルが聞きつけた情報によってもたらされた。その情報をもとにヒュー・ベリンガーはある人物を捜していた。その人物が死体の女に関係しているかもしれないからだ。だが…

本書について

エリス・ピーターズ
陶工の畑
光文社文庫 約345頁
12世紀イギリス

登場人物

カドフェル…修道士
ラドルファス…修道院長
ジェローム…副院長ロバートの書記で腰巾着
ルアルド…修道士
ジェネリーズ…ルアルドの元妻
ユード・ブラウント…荘園主
サリエン…ユードの弟、修道士
ドナータ…ユード達の母
パーネル・オットミア…荘園主の娘
ガニルド…パーネルの侍女
ブライトリック…行商人
ジョン・ハインド…銀細工師
ヒュー・ベリンガー…州執行長官

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