日本史

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藤田覚「幕末から維新へ」(シリーズ日本近世史⑤)を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 本書の対象は18世紀末から19世紀半ば過ぎまでの江戸時代です。 いわゆる「幕末」の時代です。 あとがきに書かれていますが、本書では2つの点に留意して書かれています。 なるたけ社会史や経済史、...
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高埜利彦「天下泰平の時代」(シリーズ日本近世史③)を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 本書の対象は17世紀半ばから18世紀半ば過ぎまでの江戸時代です。 将軍で言えば、第四代将軍徳川家綱から第十代将軍徳川家治が統治した130年余りです。 ちょうど政治的に安定した時期でした。 本書...
作家は行

藤井讓治「戦国乱世から太平の世へ」(シリーズ日本近世史①)を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 扱う時代は織豊政権の安土桃山時代から徳川家光の治世下の江戸時代までの五人の為政者の時代、およそ100年です。 具体的には織田信長から始まり、豊臣秀吉、徳川家康、徳川秀忠、徳川家光までの五名の時代を扱ってい...
作家は行

畑尚子「江戸奥女中物語」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 奥女中を研究する人にとって、三田村鳶魚の「御殿女中」はバイブル的存在だそうです。 本書では具体的な事例として、多摩地域から奉公に上がった藤波を主人公にしています。藤波は現在の東京都日の出町の野口家...
作家か行

小松和彦「異界と日本人」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント 日本における「異界」を論じた本です。 異界はあらゆるところにあります。そして、そこに妖怪が出没するのです。 鬼は山や門、橋などに出没します。河童は水辺に出没します。 山や門、橋、水辺な...
作家た行

田家康「気候で読む日本史」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

本のタイトル通り、気候の変動が歴史にどのような影響を与えたのかを教えてくれる一冊です。 重要なのは太陽活動の強弱や火山噴火活動などでした。 太陽活動の強弱と火山噴火は別の自然現象ですが、地球規模で気温の温暖化・寒冷化をもたらす...
2) 超面白い

山本みなみ「史伝 北条義時」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

北条義時は源実朝の暗殺事件の黒幕と考えられたり、権力を簒奪した人物として考えられたり、上皇を配流するなど、ダークな人物として捉えられることが多かったですが、本書では一貫して北条義時を幕府の保護者として捉え、向けられる眼差しは温かいものです。
作家か行

小松和彦「呪いと日本人」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

呪いを紐解く概説書ですが、ここでは歴史の中における呪いに関する記述をまとめてみました。
4) 面白い

本郷和人「北条氏の時代」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

鎌倉時代は約150年間ありますが、その主人公は「北条氏」です。その北条氏のリーダーたちを取り上げたのが本書です。 2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が北条義時を主人公としていたこともあり、北条氏への注目が高まっていました。 ...
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高橋典幸編「中世史講義【戦乱篇】」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

ちくま新書の歴史講義シリーズは大学の半期の講義と同じく、一冊で15回分の講義が収録されています。 本書に収録されている時代については次にまとめています。 平安時代末期から鎌倉時代初期(幕府成立前夜)鎌倉時代(北条氏の台頭から承...
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佐藤信編「古代史講義【戦乱篇】」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

ちくま新書の歴史講義シリーズは大学の半期の講義と同じく、一冊で15回分の講義が収録されています。 本書に収録されている時代については次にまとめています。 古墳時代から大和王権の成立まで飛鳥時代(大化の改新から壬申の乱)奈良時代...
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鬼頭宏「人口から読む日本の歴史」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

日本史の一般書を読んでいても、その時代に、どれくらいの人が住んでいたのかが書かれていることはめったになく、そういう情報があったらなぁと思っていました。 また、一般書の多くは政治史を中心に書かれているため、政治の中心となった近畿を中心...
作家や・ら・わ行

山本博文「歴史をつかむ技法」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

山本博文氏は日本近世史、江戸時代を専門としている歴史学者です。 中学もしくは高校で、本書のように、歴史全体を俯瞰し、何を押さえ、何を捉えるべきかを教えてから時代別の詳細を教えたほうが良いように思いました。 これは何も歴史学など...
作家か行

五味文彦「中世社会のはじまり」(シリーズ日本中世史①)の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

中世という時代を思潮という面からとらえた一冊です。シリーズ日本中世史(全4巻)の第1巻になります。 中世(鎌倉時代から室町時代)の約500年を俯瞰し、続く第2巻から第4巻を読む際の土台となります。 本書では中世社会の基本的な枠...
作家か行

近藤成一「鎌倉幕府と朝廷」(シリーズ日本中世史②)の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

鎌倉時代を俯瞰する 鎌倉幕府の成立時期から、その滅亡まで、約150年間の鎌倉時代を扱っています。 この時代の体制に関しては、権門体制論と東国王権論(二つの王権論)と二つの学説があるようですが、著者は権門体制論に批判的な立場のよ...
3) かなり面白い

本郷和人「世襲の日本史: 「階級社会」はいかに生まれたか 」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

世襲というテーマ 本郷和人氏は形式より実際の状態がどうだったかを重んじています。「動的な観察」と言われる視点です。 動的な観察とは、史料の解釈をもとに様々な状況を考えながら歴史の動きを観察していくものです。 対照的なのが...
4) 面白い

坂井孝一「承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

いささか冗長な箇所が散見されます。例えば後鳥羽上皇の多才多芸を紹介するくだりや、源実朝の和歌の解説のくだりは、そんなに紙面を取らなくて良いのにと思いました。 なぜなら、本書のテーマは承久の乱だからです。 さて、本書は一般的なイ...
3) かなり面白い

本郷和人「承久の乱 日本史のターニングポイント」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

本郷和人教授の本は結論や考えを勿体ぶらずに示してくれるのがとても良いです。 分かりやすくを心がけていらっしゃるのも端端からも読み取れます。 学者然とするのは簡単ですので、初学者でもわかるように書こうという姿勢こそが、学者全員が...
3) かなり面白い

本郷和人「乱と変の日本史」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

12世紀後半から16世紀後半までの約400年、鎌倉時代・室町時代を日本史における「中世」と言います。この中世に、乱と変が多く発生します。 その理由を著者は 中世が「武士の時代」であり、彼らによる異議申し立てが頻発したか...
作家あ行

大塚英志監修、山本忠宏編「まんが訳 酒呑童子絵巻」の読書備忘録(要約と紹介と感想と)

絵巻を現在のまんがの手法を使って、作り直したもの。従来の絵巻の紹介手法と異なり、見やすいし、読みやすい。 紹介されているのは3つの絵巻。「酒呑童子絵巻」「道成寺縁起」「土蜘蛛草子」。「酒呑童子絵巻」「土蜘蛛草子」は「鬼」に関...
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